徳島での桜が見頃を迎え、会場に向かう道中、神山町のあちらこちらで満開の桜を見ることができました。
前日は雪もちらつく悪天候だったそうですが、公演当日は日差しも暖かく、晴天の空の下無事に幕が上がりました。
「せせらぎハーモニー」によるコーラスと「大川原オカリナクラブ」によるオカリナの演奏から舞台が始まり、春らしい爽やかなメロディーが会場内に響き渡ると、観客の皆さんも音楽に合わせて手拍子を送っていました。
続いて、「寄井座」による「えびす舞」の上演。
えびす様が大きな鯛を釣り上げると、会場内で歓声が湧き上がり、演目の最後でえびす様が「鶴は千年、亀は万年」と台詞を決める場面では、背景に使用されていた鶴と松の襖絵がぴったり合っていました。
次に、徳島ではおなじみの「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」を「神領小学校学童保育すだち座」の皆さんが演じました。人形を懸命に遣う姿は堂々としていて、観客からは大きな声援が送られていました。
また、この続きとなる「傾城阿波の鳴門 十郎兵衛内の段」を「寄井座」が上演。
順礼歌の段では母のお弓と娘のお鶴しか出てきませんが、ここで登場する十郎兵衛の人形は大きくて迫力があり、物語の終盤にある大立ち回りは見応えたっぷり!思わず、手に汗握るほど見入ってしまいました。
その後には、引き続いて「寄井座」による「玉藻前旭袂 道春館の段」が上演されました。
前半の、悲しみに堪えながら桂姫、初姫姉妹が双六で勝敗を決める静の場面と、後半の、金藤治が姉妹の母萩の方と桂姫の許嫁、采女之助の二人と斬り合う動の場面の対比に見応えがあり、采女之助に斬られた金藤治が死に際に告げた事実は、胸に迫るものがありました。
悲しい結末の道春館の段ですが、死を覚悟して白装束に身を包んだ桂姫と初姫の姉妹は遠目から見ても美しく、観客を魅了していました。
定期公演のトリを飾ったのは、全国一の襖保存数を誇る、小野さくら野舞台の襖カラクリ。
三味線の音色に合わせて、一瞬で絵柄が変わる襖カラクリに会場内も大盛り上がり。息の合った操作で、観客からは場面が変わるごとに盛大な拍手が送られていました。
小野さくら野舞台の「第5回春の定期公演」は、沢山の方にご来場いただき、大盛況の内に幕を閉じました。
えびす様、大物を釣り上げました! |
背景の襖絵にえびす様の決めポーズが映えます |
すだち座の皆さんが親子の別れを熱演! |
寄井座による十郎兵衛の立ち回りは迫力満点 |
双六で負けた方が命を差し出す緊迫の場面 |
手に掛けた娘の首を胸に抱いて泣く父・金藤治 |
小野さくら野舞台自慢の襖カラクリ |
一瞬で… |
鷲の絵が獅子の絵に変わりました! |