天候に恵まれ、新緑がまぶしい…! |
八面神社のそばを流れる、清流のせせらぎが響く中、社のある高台に、枝を伸ばす新緑の合間から三番叟が覗き、奉納の舞から公演が始まりました。
出演者一同が社に拝礼し、列を成して階段を下りてくると、観客も静まり会場内に厳かな空気が満ちていました。舞台に上がった出演者が、観客に一礼すると、静かに見守っていた会場内が一変。大きな拍手が送られ、これから上演される舞台への期待が伝わってくるようでした。
客席には木陰ができて快適 |
開催の挨拶の後、公演のトップバッターを務めたのは「丹生谷清流座」による「寿二人三番叟」。公演の最初に舞を奉納していた厳粛な雰囲気とは打って変わり、賑やかな鈴の音とコミカルな動きで会場の笑いを誘っていました。
その後には、人形遣い勘緑氏率いる「木偶舎」による「艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)」の酒屋の段より、お園のさわりの上演。行方が知れない夫を思う妻の切ない心を、お園の舞に合わせて太夫が語る、くどきと呼ばれる見せ場がしっとりと演じられていました。
シャッターチャンスを狙って皆がカメラをかまえます |
そして再び、勘緑氏と「木偶舎」による人形浄瑠璃の上演。「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)」より、八百屋お七火の見櫓の段が演じられました。降りしきる雪の中、梯子から何度も滑り落ちながら髪を振り乱し、火の見櫓に上るお七の懸命さを、観客が息を潜めて見守っているように感じられました。
賑やかな寿二人三番叟。動きもぴったり! |
ここで第一部が終了し、休憩を挟んでの第二部。
舞台の雰囲気ががらりと変わり、趙恵美氏が韓国の伝統的な装束に身を包んで登場しました。被っていた笠を取り、扇を手に舞台上を華麗に舞う姿は、自然に囲まれた中で見ると一層幻想的。
続いてパクウォン氏が伝統打楽器を手に、会場内、客席を所狭しと舞い踊り、リズムに合わせて客席も盛り上がります。
最後は、「親舊達(チングドゥル)」の演奏に合わせて、小さな子供の木偶が舞台の上で遊び始めます。異なる伝統芸能が、農村舞台で融合した瞬間でした。